7月1日(土)から上映が開始された、日本初の「Screen X」という次世代型の映画上映で、「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」を見てきました。
とりあえず「パイレーツ〜」の感想等はまたの機会に譲るとして、この「Screen X」に関して思ったことを書いていきたいと思います。
まず「Screen X」って何よ?
そもそも「Screen X」に関してご存じない方もいらっしゃるかと思いますので、簡単に解説を。
(ご存じの方はまるっと読み飛ばしちゃって大丈夫です)
一般的な映画では客席正面のスクリーンにのみ、映像が映し出されるかと思います。
まあ、逆にそれ以外どこに映すんだよ、って話なんですが、「Screen X」では、左右の壁にもプロジェクターで映像を映し出すことにより、3面のマルチスクリーンを実現し、270度の視界で映画を楽しめる、というものです。
言葉だけではイメージしにくいかと思いますので、Screen Xの公式サイトやこちらの紹介映像も併せてご覧下さい。
おおよそこの映像通りです。
日本では、2017年7月1日(土)に、「ユナイテッドシネマ アクアシティお台場」において、「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」が「Screen X」形式で初めて上映される作品となります。
(現時点では、Screen Xで鑑賞できる劇場はこのアクアシティお台場のみです)
劇場に関して
このScreen Xを見ることができるのが、前述したとおり「ユナイテッドシネマ アクアシティお台場」です。
その名の通りアクアシティお台場の中にあるのですが、行ってみると入り口からScreen Xをアピールしていました。
エスカレーターで劇場入り口へ降りていくのですが、そのゲート部分にもScreen Xのロゴマークが。
反対側に書かれている4DXはかなり定着した感じがありますが、果たしてScreen Xも4DXのように定着するのでしょうか。
このように劇場ロビーのポスターでもアピールしています。
そして、実際にScreen Xが上映される劇場の入り口ですが、結構おしゃれな感じに。
画像編集により若干明るさを上げていますが、実際はもうちょっと薄暗い感じの入り口なので、なんだか近未来感がするような入り口でした。
Screen Xのイメージカラーでもある(と勝手に思っているんですが多分そう)オレンジ色の電飾が良い感じですね。
実際のシアター内では流石に写真は撮れませんでしたが、左右はスクリーンがあるわけではなく、壁に映し出すような感じです。
プロジェクターは左右で各2台ずつ、天井に取り付けられていました。前面スクリーンに映写する分も含めれば合計5台ということになります。
実際の上映を見ての感想
デモ映像
4DXやIMAXをご覧になった方なら分かって頂けると思うのですが、上映前にデモ映像が流れますよね。Scree Xでも例に漏れずデモ映像の上映がありましたが、これが素晴らしい。
映像自体がScreen X用に作られたというのが大きいのでしょうが、宣伝の謳い文句通り、本当に映像の世界に入り込んでいるかのようでした。
イメージで言うと、VRやHMDを付けているかのような感覚でしょうか。専用のゴーグルやHMDなしでこの感覚に浸れるというのは、本当に凄いと思いました。
ただ、没入感が凄い上に、映像自体が大変明るく、かつ解像度も高いと感じたため、この調子で120分も上映されると、絶対に目が疲れたりするだろうな、と少し不安に。今までVRで同じ様な状態になったことはありませんでしたが、映画となるとおそらく映像も激しく動くシーンがあるでしょうから(ましてパイレーツですからね)、頭が痛くなったり吐き気がしたりなどの、いわゆるVR酔いの症状が出るんじゃないだろうか、とも思いました。
(実際その心配は杞憂だったのですが……)
映画本編
あまり詳しく書きすぎてしまうと、「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」のネタバレになりかねないので、ネタバレにはならない範囲で、内容と言うよりはScreen Xについて書いていきたいと思います。
本編中の左右
本編中に左右にはどんな映像が投影されるのか、と期待していたのですが、左右にはそれっぽい映像を引き延ばして投影しているような感じでした。
良い感じのフリー画像があったので、こちらの画像で説明しますが、この画像は、中心部に奥行きを作り、左右の壁を引き延ばしているため、3Dっぽく見えますよね?
まさにこの画像で言うところの、奥行き部分(つまり通路の先)に正面スクリーンがあり、自分たちの左右には壁が映し出されているかのような状態です。
そのため、Screen Xの左右(つまり自分の左右)には、引き延ばされた荒い映像が流れている、といった感じです。
言葉で説明するのが非常に難しいのですが、大ざっぱに言うと、没入感を作るために、それっぽい映像が左右にも流れている、的な感じですかね。少なくともデモ映像や宣伝ポスターのような綺麗な映像が流れる訳ではありません。
おそらくScreen X専用に撮影された映像は存在しないため、編集段階でそれっぽく映像を加工した、という感じなんでしょう。
映像同士のつなぎ目
パイレーツ〜はご存じの通り海賊の物語ですので、夜間の場面や船内の場面など、全体的に明るさが暗いシーンが多いんですよね。
前述したとおり、左右の映像はプロジェクターを各2台で投影しているのですが、投影されている映像同士につなぎ目が発生しないように、重ねて投影されている部分が発生していたんです。
全体的に明るいシーンではあまり目立たないのですが、暗いシーンですとその明るさの差が気になってしまい、つぎはぎ映像のように見えてしまって、少し気になってしまいました。
ここはプロジェクターの設置をもう少し精度を高めて設置するなり、何らかのソフトウェア的解決で目立たないようにするなりして欲しかったところですね。
左右の映像は常時ではない
また、左右スクリーンに投影されている映像ですが、常に流れているわけではありません。没入感や広大な感じなど、3D映像らしい効果を出したいシーンのみで使っている、といった感じの印象です。
長さ的には全体の半分〜1/3くらいな気がします。
まあ、全編で使われても3D酔いのような症状を起こしてしまう可能性が高くなるので、これでいいのかなぁとは思いました。
全体の所感
以上でしょうか。
この説明ではあまりに分かりにくいと思いますので、よく分からん、と言う方はぜひご覧になることをオススメします。
全体的には
- 投影技術の面で課題がある
- Screen X用に撮影された映像で見てみたい
- VR酔いなどの健康面での検討が必要(クリアできる限界にチャレンジして欲しい)
- 明るいシーンや風景などのシーンで使うにはすごく良い
- 左右のスクリーンに投影される映像についてはもうちょっと考えた方が……
という感じでしょうか。
まだまだこれからの上映形態だと思うので、今後に期待、といった感じです。